お父さんの野菜作り

2012.5.31
小西ロク

奈々の部屋=お兄ちゃんの部屋

お兄ちゃんは2階の東南角部屋8畳に住んでいましたが、現在は、 職場のある川崎にアパートを借り、週末だけ練馬の家に戻ってきて、 その部屋で寝起きしています。 このため、お兄ちゃんの部屋は 現状維持としていますが、奈々の爪磨き台やトイレも置かれ、お兄ちゃんの ベッドの上で奈々は昼寝もしていまして、実質的には奈々の部屋とも言えます。
この部屋は日照時間も長く、真冬でも晴れた日は20℃を超える、最も温かい部屋なので、 お父さんは野菜の苗を育てるために使っています。 現在も、出窓部分で、枝豆やパセリの 苗を育てていますが、奈々は出窓から外を眺めるのも好きなので、 お父さんの苗床を避けながら、出窓部分を歩いています。 出窓の手前には お兄ちゃんの机も置かれていますが、ここに奈々のための猫ベッドも置かれています。
僕は決して机の上には上がりません。 右の写真では、お父さんに抱えられ、無理やり、 机の上に置かれたので、どのようにして降りたらよいか悩んでいるのです。 結局、お父さんに抱えられ、降ろしてもらいました。  僕は飛び上がることも、飛び降りることもできず、高所恐怖症なのです。 この点、奈々は天才です。


トマトの育苗

トマトは乾燥し=夜は冷え込むペルーを原地産とし、原種はミニトマトよりも ずっと小さくて美味しくなかったとのことですが、品種改良が進められ、 湿度の高いわが国でも大きくて美味しいトマトができるようになりました。
トマトは、一旦育つと乾燥にも寒さにも強い植物ですが、発芽や育苗時には弱く、 15~25℃に保つことが求められます。 できるだけ早く(初夏)からトマトを収穫するために、 お父さんは、夜中は保温して、寒い時からトマトの苗を育てています。 今年の場合、
(1)2/29に、大きい/鈴虫の飼育籠(20 x 38 x 30 cm)の中に、トマトの種を播いた、15個の小さな育苗ポットを入れ、次に、この飼育籠を、底に電気アンカ(60W)を入れた段ボール箱に収めます。  そして、全体を毛布で包みました。 このようにすると、深夜でも15℃以下には下がりませんでした。
(2)3/5に(5日間で)発芽しました。 発芽後は、日中は出窓に置いて太陽に当て、暗くなると(1)の段 ボール箱に戻しま した。
(3)4/13に、既に20cmを超える高さに育ったので、ビニール・トンネルの農地に移植しました(21粒 の種を播きました が、100% 育ちました)。   
(4)現在(5/31)の様子を右の写真に示しました。 幹は太くなり、既に実が付いています。 また、甘いトマトをつくるためには、ハウス等で雨避けし、土地を乾燥させることが必要ですが、 家庭菜園では実現が難しいです。


野菜もお酒が好きです

野菜は生き物で、お酒等に含まれる有益なアミノ酸や、有益な微生物(ex. 乳酸菌)
を多く含む健康な土地では元気に育ちますが、一方、(完熟でない)未発酵の肥料が加えられ、有害な腐敗菌が増殖した土地で は、野菜も病気に掛 かることとなります。 
お酒を50倍程度に薄めて庭木に与えると、その庭木は元気になることが知られていますが、野菜作りにも(お酒のような)発酵 肥料を与えること が重要なのです。 つまり、野菜にとっても、お酒は「百薬の長」なのです。

有益なアミノ酸や乳酸菌を増やすために、通常、米ぬか等を完熟発酵させることとなりますが、発酵には2種の方法があります:
(1)好気性発酵:かき混ぜる等により、空気(酸素)に積極的に触れさせ、アルコール等をつくる。
(2)嫌気性発酵:密閉した容器で発酵させ、メタンガスを発生させる。

いずれの発酵方法でも、発酵が始まれば発熱しますが、発酵開始時には加温し、発酵を加速することが望ましく、家庭で容易に発 酵させることが可 能な方法は(1)の好気性発酵です。

好気性発酵では、最初に、
麹菌が働き、(甘酒の匂いを出し)1~3日で澱粉やたんぱく質を分解し、糖を作ります。 次 に、
4~7日で乳酸菌が働き、(少し臭い匂いを出し)40℃を超える熱を発生、腐敗菌等の成長を抑 制します。 最後 に、
③酵母菌
が働き、(お酒の匂いを出し)アミノ酸やアルコールを作ります。



米ぬかボカシ肥料の作り方

有機肥料を微生物で発酵させたものをボカシ肥料と言います。 ボカシ肥料は園芸店で(1000ccで500円程度)売られていますので、これを購入するのが一般的ですが、 もし園芸店で見つからない場合は、(甘酒をつくる)米麹、、加熱処理していない (カスピ海)ヨーグルト、パン作りに使う(レーズン)酵母を、(ボカシ肥料の代わりに)米ぬかに加えればよい。 なお、レーズン酵母の作り方等はインターネットで容易に見つかります。

米袋(30Kg)に一杯詰められた米ぬかは、米屋で100~300円で購入できます。
ボカシ肥料を作るのに必要な機材は、上記に加え、
(1)米袋一つ(交換用)
(2)段ボール箱
(3)(段ボール箱の底に置く)電気アンカ(60W)
(4)毛布1枚
なお、(2)~(4)は トマトの育苗 で使用したものです。

米袋一杯の米ぬかを、交換用米袋に移しながら、ボカシ肥料(茶碗1杯程度)と約2リットルの 水を加えて、発酵作業をスタートさせます。 ここで、ボカシ肥料を多く入れると、発酵開始が早まります。

以後、毎日行う作業として、
 (a) 米袋で発酵させている米ぬかを、(上下転置の形で)交換用の米袋に詰め替える。   また、ぬかの塊ができると、砕き、空気によく触れるようにする。
 (b) 詰め替え作業の途中で、水を適宜加える。 (初日は 約2リットル、)発熱後は 500cc 程度を追加します。 ここで重要なことは、ぬかを握って手を離すと、(固まらず)ばらける程度にしか、糠を湿 らせないことで す。 ここで、ばらけることも、また、  (プラスティック容器ではなく)米袋を使うのも、好気性発 酵を促進するためなので す。
 (c) 発熱温度が体温程度に下がっても、上下転置による詰め替え作業は毎日続けますが、水の追加を止め、乾燥させ始めます。
開始から約1カ月で、サラサラに乾燥した、(お父さんにとっては)香りの良いボカシ肥料が完成します。 なお、温度が下がっ ても水を加え続け ると、 黒カビや青カビ等の好ましくないカビや、腐敗菌が増殖しますので、ご注意ください。


なお、嫌気性発酵方法については、田中亨さんが EM ぼかしの作り方 を教えてくれました。


以前の日記


僕: どうしたら降りれるのかな?


   

順調に育っています

 
金環日食 (5/21)








矢野 秀徳 作